ピロリ菌は、胃に生息する細菌で、慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌などと関係があります。

なんと日本人の約半数がにピロリ菌に感染しているという事実があるのをご存知でしょうか?
壮年から高齢の方では、60%以上と高率です。
日本で胃癌の罹患率が高い原因は感染のためなのです。
日本ヘリコバクター学会は、ピロリ菌に感染していれば、合併疾患の有無にかかわらず除菌治療を受けることを推奨しています。
 
 

ピロリ菌除菌療法

 
ピロリ菌除菌療法は、胃潰瘍などの診断がなければ今までは保険の対象ではなかったが、軽い胃炎でも保険適用が認められました。
日本人に多い胃がんが劇的に減るのではないかと期待がかかっています。
ピロリ菌陽性、及び内視鏡検査による胃炎の確認ができれば除菌治療の対象となります。
 
ピロリ菌除菌の方法はプロトポンプ阻害薬(胃酸分泌を抑える薬)と抗生物質を1週間服用するだけなので、とても簡単です。
服用終了後から約1ヶ月後以降にピロリ菌有無の判定を行います。
 
本邦では、一時除菌での成功率は70~90%と報告されていますが、最近では抗生剤耐性のピロリ菌が増加しており実際は60%程度ではないかと考えられています。
 
最初の除菌療法でピロリ菌が除菌できない場合は、違う薬を使用して再度除菌療法を行うことが可能です。この方法により、さらに90%以上の方で除菌が可能であったと報告されていますので、一時除菌、二次除菌あわせて95%以上の方は除菌が成功することになります。
 
除菌療法の薬を服用中、軟らかい便や下痢、口内炎、味覚異常、皮疹などの副作用が約10%の人にみられます。症状の軽い場合は、そのまま除菌療法を続行しますが、発疹、発熱、強い腹痛、血便など、症状がひどい場合は処方医との相談が必要です。
ただし、除菌治療を自己判断で、中途半端でやめたり、服薬が順守出来ていない場合は、ピロリ菌が薬に対して耐性をもち、次に除菌しようと思っても薬が効かなくなるおそれがありますので、医師の指示通りに薬を飲むことが除菌治療を成功させるために重要となります。

50代以上の感染率は70-80%と高く、多くの人が除菌対象となります。

 

保険診療として除菌治療を受けることができる人

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃がん(内視鏡治療後)
  • 慢性胃炎(2013年 保険適応)

 

 

除菌:慢性胃炎で除菌が保険収載(平成25年3月~)

再感染:最近は再感染に関して